冷凍ピザを自宅で温めたとき、生地が硬くなったり、逆にべちゃっとしたりして後悔した経験はありませんか。特にご家庭に冷凍ピザを温める手段が電子レンジしかない場合、お店のような美味しい状態を再現するのは難しいものです。
この記事では、パナソニックのオーブンレンジ「ビストロ」を使って、冷凍ピザを最高に美味しく仕上げる方法を徹底解説します。冷凍ピザを解凍しない正しい温め方から、外はカリッと、中はもちもちにするための理想的な焼き方、ピザの温め直しにスチームオーブンを活用するコツ、さらには2段調理の便利な使い方や、もっと美味しくなるアレンジレシピのヒントまで網羅しています。
また、オーブンレンジで焼く際に冷凍ピザの下にアルミホイルを敷くべきか、冷凍ピザを電子レンジで温めるにはラップをするべきですか?といった細かな疑問にもお答えします。加えて、同じパナソニックの「エブリノ」と冷凍ピザの調理機能にどのような違いがあるのかも比較します。この記事を読めば、ビストロを使った冷凍ピザ調理の全てが分かります。
この記事を読むことで、以下の点について深く理解できます。
- 電子レンジとビストロでの冷凍ピザの仕上がりの決定的違い
- ビストロで冷凍ピザを失敗なく美味しく焼くための基本手順
- スチームや2段調理などビストロの機能を活用した応用テクニック
- いつもの冷凍ピザを格上げする具体的なコツやアレンジ方法
冷凍ピザをビストロで焼く基本のコツ
- 冷凍ピザは電子レンジしかない時の問題点
- レンジで温めるにはラップは必要?
- 冷凍ピザは解凍しないで焼くのが正解
- ピザの温め直しはスチームオーブンで
- これが基本の冷凍ピザの焼き方
- オーブンレンジにアルミホイルは敷くべき?
冷凍ピザは電子レンジしかない時の問題点
ご家庭に電子レンジしかない場合、冷凍ピザを美味しく温めるのは難しいのが現実です。なぜなら、電子レンジの加熱方法とピザという食材の相性があまり良くないためです。
電子レンジは、マイクロ波で食品に含まれる水分を振動させて熱を発生させます。このため、加熱時間や出力ワット数を少し間違えるだけで、ピザ生地の水分が飛びすぎてしまい、カチカチに硬くなることがあります。一方で、チーズやソースなどの水分が多い具材から出た蒸気が生地に吸収され、べちゃっとした食感になることも少なくありません。
このように、外はカリッと、中はふっくらというピザ本来の美味しい食感を、電子レンジだけで再現するのは極めて困難です。具材は温まっているのに生地は冷たい、あるいはその逆といった「加熱ムラ」も起きやすく、全体を均一に最適な状態にするのは至難の業と言えるでしょう。
レンジで温めるにはラップは必要?
電子レンジで冷凍ピザを温める際に、「ラップをするべきか、しないべきか」という疑問は多くの方が抱きます。これは一長一短があり、どちらが正解とは一概には言えません。
ラップをして加熱すると、食品から出る水蒸気が庫内にこもり、乾燥を防ぐ効果が期待できます。これにより、ピザ生地が硬くなりすぎるのをある程度は防げるかもしれません。しかし、前述の通り、こもった蒸気が生地に吸収されてしまい、結果的にべちゃっとした食感を招く大きな原因となります。特にクリスピーな食感を求める場合には逆効果になる可能性が高いです。
逆に、ラップをしないで加熱すると、水分が蒸発しやすくなるため、生地のカリッとした食感は得やすくなります。ただ、その分、生地全体の水分が失われ、硬くなったりパサついたりするリスクが高まります。チーズなどのトッピングも乾燥しやすくなるでしょう。
このように、ラップの有無で仕上がりは変わりますが、どちらの方法を選んでも電子レンジでは理想的な美味しさを引き出すのが難しいという点に変わりはありません。
冷凍ピザは解凍しないで焼くのが正解
冷凍ピザを美味しく焼くための最初の、そして最も重要な鍵は、「解凍しないこと」です。多くの方は、調理前に解凍した方が良いと考えがちですが、実はこれが失敗の元になることがあります。
その理由は、解凍する過程でピザ生地が水分を吸ってしまい、焼いたときにべちゃっとした仕上がりになりやすいからです。また、食材からドリップ(旨味成分を含んだ水分)が流れ出てしまい、ピザ本来の美味しさが損なわれる可能性もあります。
パナソニックのビストロのような高機能なオーブンレンジは、冷凍された食材をそのまま調理することを前提に設計されています。内部にまでしっかりと熱を伝える「近赤外線ヒーター」と、表面を香ばしく焼き上げる「遠赤外線ヒーター」を組み合わせることで、冷凍状態からでも一気に中まで火を通し、理想的な状態に焼き上げることが可能です。
したがって、ビストロで冷凍ピザを調理する際は、事前の解凍は一切不要です。冷凍庫から取り出して、すぐに焼き始めるのが、美味しさへの一番の近道と考えられます。
ピザの温め直しはスチームオーブンで
ビストロの大きな魅力の一つが、スチーム機能の搭載です。この機能は、調理済みのピザを温め直す際に絶大な効果を発揮します。
一度冷めてしまったピザをただ再加熱すると、生地の水分が抜けて硬くなりがちです。しかし、スチームオーブン機能を使えば、加熱と同時に適度な蒸気を庫内に充満させることができます。この蒸気がピザに潤いを与え、生地のパサつきを防ぎ、ふっくらもちもちとした食感を復活させてくれるのです。
また、チーズにとってもスチームは有効です。蒸気の力でチーズが乾燥することなく、とろりとした理想的な溶け具合になります。まるで焼きたてのような、みずみずしさと香ばしさが両立した仕上がりを期待できるでしょう。
もちろん、これから焼く冷凍ピザ調理においても、一部のレシピではスチームを併用することで、よりリッチな食感を目指すことが可能です。このように、スチーム機能を使いこなすことが、おうちピザのクオリティを一段階引き上げるポイントとなります。
これが基本の冷凍ピザの焼き方
ビストロを使って冷凍ピザを美味しく焼くための、基本的な手順をご紹介します。多くのビストロには便利な自動メニューが搭載されており、それに従うのが最も簡単で確実です。
#### 手順1:オーブンの予熱
まず、調理を始める前に、必ずオーブンの予熱を行ってください。レストランの石窯が高温であるように、ピザは高温で一気に焼き上げるのが美味しさの秘訣です。予熱をせずに焼き始めると、生地に火が通るのに時間がかかり、結果的に水分が飛んで硬い仕上がりになってしまいます。 ビストロのオーブン機能を選び、「予熱あり」に設定します。温度は220℃~250℃程度が目安ですが、お使いのピザのパッケージに推奨温度があればそれに従ってください。
#### 手順2:グリル皿または角皿にピザを乗せる
予熱をしている間に、ピザを準備します。ビストロ付属のグリル皿、または角皿にピザを乗せます。自動メニューで「冷凍ピザ」を選ぶと、多くの場合グリル皿の使用が推奨されます。グリル皿は裏面の凹凸構造によって熱伝導が良く、生地の裏面までカリッと焼き上げるのに適しています。
#### 手順3:予熱完了後、焼き上げる
予熱完了の音が鳴ったら、ピザを乗せた皿を庫内の指定された段(多くは下段)に入れます。その後、自動メニューの「冷凍ピザ」を選んでスタートボタンを押すだけです。 手動で設定する場合は、予熱した温度で7分~10分程度が焼き時間の目安となります。チーズの溶け具合や生地の焼き色を見ながら、お好みで時間を調整してください。
これらの手順を踏むだけで、電子レンジとは比較にならないほど本格的な焼き上がりのピザが完成します。
オーブンレンジにアルミホイルは敷くべき?
オーブンレンジでピザを焼く際に、アルミホイルを敷くべきか迷うことがあります。これにはメリットとデメリットの両方があるため、目的によって使い分けるのが賢明です。
メリットとしては、後片付けが楽になる点が挙げられます。溶けたチーズや具材が皿にこびりつくのを防げるため、調理後の手間を大幅に省くことができます。
一方で、デメリットは、生地の裏面の焼き加減に影響が出ることです。特にビストロのグリル皿は、その凹凸構造で生地をカリッと焼き上げるように設計されています。アルミホイルを敷いてしまうと、この効果が薄れてしまい、生地の裏面が少ししっとりとした仕上がりになる可能性があります。
もし、生地裏のクリスピー感を最優先したいのであれば、アルミホイルは敷かずに直接グリル皿に乗せるのがおすすめです。後片付けの手間を優先したい場合や、チーズなどが多くこぼれ落ちそうなピザの場合は、アルミホイルを敷くと良いでしょう。オーブン用のクッキングシートを使うのも一つの手です。
※電子レンジとして使うときは、アルミホイルは使用不可です。
冷凍ピザをビストロで使いこなす応用テクニック
- 知っておきたい便利な温め機能の紹介
- エブリノの冷凍ピザ機能との比較
- 2段調理で一度にたくさん焼く方法
- もっと楽しむアレンジレシピのヒント
- 冷凍ピザはビストロで本格的な仕上がりに
知っておきたい便利な温め機能の紹介
ビストロには、冷凍ピザを美味しく仕上げるための便利な機能が多数備わっています。これらを理解し活用することで、調理の幅がさらに広がります。
代表的なのは、やはり「冷凍ピザ」の自動メニューです。これは、ヒーターの出力や時間を、センサーが検知した情報に基づいて自動で最適化してくれる機能です。室温やピザの初期温度などを考慮し、7000通り以上の中から最適なプログラムを選択するインテリジェント制御により、誰でも失敗なく理想的な焼き加減を実現できます。
また、前述の通り「スチームオーブン」機能も温め直しに非常に有効です。さらに、グリル機能を使えば、ピザの表面に香ばしい焼き色をつけたい場合に役立ちます。例えば、自動メニューで全体を焼き上げた後、最後の1~2分だけグリル機能に切り替えることで、チーズをこんがりと仕上げる、といった使い方も可能です。
これらの機能を組み合わせることで、単に温めるだけでなく、「自分好みの最高の状態に仕上げる」という、一歩進んだ楽しみ方ができるのがビストロの大きな魅力です。
エブリノの冷凍ピザ機能との比較
パナソニックからは、ビストロの他に「エブリノ」というオーブンレンジも販売されており、どちらを選ぶか迷う方もいるかもしれません。冷凍ピザの調理機能において、両者にはコンセプトの違いが見られます。
ビストロの最大の特徴は、「300℃コンベクションオーブン」※に代表される本格的なオーブン性能です。高い庫内温度と均一な熱風循環により、専門店のような高温で一気に焼き上げることを得意とします。これにより、生地の外はカリッと香ばしく、中はもちもちとした本格的な食感を実現しやすいと言えます。 (※一部の上位モデルに搭載)
一方、エブリノは「毎日使い」にフォーカスしたモデルで、特に揚げ物メニューの「ヘルシーフライ」などが強力です。冷凍ピザに関しても自動メニューは搭載していますが、ビストロほどの高火力・高温調理というよりは、日常的に手軽に美味しく仕上げることに主眼が置かれていると考えられます。
以下に、両者のコンセプトの違いをまとめます。
どちらが良いというわけではなく、ご自身のライフスタイルや、ピザ調理にどこまでのクオリティを求めるかによって選択するのが良いでしょう。より本格的な焼き上がりを追求するならビストロが、手軽さや他の料理とのバランスを重視するならエブリノが適していると考えられます。
2段調理で一度にたくさん焼く方法
ホームパーティーや家族での食事など、一度に複数枚のピザを焼きたい場面は多いものです。ビストロのコンベクションオーブン機能を使えば、2段調理で効率よくたくさんのピザを焼くことが可能です。
これを可能にしているのが、庫内全体にムラなく熱風を循環させる技術です。ビストロの庫内は、天井部分がフラットな設計になっており、奥から手前へ、そして下段から上段へと熱風がスムーズに流れるように工夫されています。このパワフルな熱循環のおかげで、上下2段にピザを入れても、どちらか一方が生焼けになったり、焦げすぎたりすることなく、均一に焼き上げることができます。
#### 2段調理の注意点
ただし、2段調理を行う際にはいくつか注意点があります。まず、1枚だけを焼くときに比べて、調理時間が少し長くなる傾向があります。自動メニューではなく手動で設定する場合は、通常の焼き時間よりも1~2分長めに設定すると良いでしょう。
また、熱風の循環を妨げないよう、庫内にピザを詰め込みすぎないことも大切です。お互いのピザが接触しないように、少し間隔をあけて配置してください。最高のパフォーマンスを得るためには、途中で一度、上下の皿を入れ替えるのも効果的な方法です。
もっと楽しむアレンジレシピのヒント
市販の冷凍ピザも、ビストロを使えばひと手間加えるだけで、さらに美味しく、オリジナルな一品に変身させることができます。
例えば、追いチーズは定番ながら効果絶大なアレンジです。冷凍ピザを焼く前に、お好みのチーズ(モッツァレラ、ゴーダ、チェダーなど)を追加でトッピングするだけで、格段にリッチな味わいになります。
また、野菜を追加するのもおすすめです。薄切りにしたピーマン、玉ねぎ、きのこなどを乗せて焼けば、彩りも栄養価もアップします。ただし、水分の多い野菜を乗せすぎると生地がべちゃっとする原因になるため、乗せる量には注意が必要です。事前に軽く炒めたり、キッチンペーパーで水分を拭き取ったりしておくと失敗が少なくなります。
ビストロには「アレンジトースト」という自動メニューが搭載されているモデルもあります。これは、パンの上に卵などの火の通りにくい具材を乗せても、パンを焦がさずに具材にしっかり火を通す賢い機能です。この機能を応用すれば、ピザの上に生卵を割り落として「ビスマルク風ピザ」にすることも簡単にできます。
冷凍ピザはビストロで本格的な仕上がりに
この記事では、ビストロを使って冷凍ピザを美味しく仕上げるための様々な情報をお伝えしてきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
- 電子レンジでの温めは水分が飛び硬くなるか、蒸気でべちゃつく
- ラップの有無に関わらず電子レンジでは理想的な食感は難しい
- 冷凍ピザは解凍せずに凍ったまま焼くのが美味しさの基本
- 事前の解凍はドリップや水分の吸収を招き、味を損なう原因になる
- ビストロは冷凍からの調理を前提としたヒーター性能を持つ
- 温め直しにはスチーム機能が最適で、生地の潤いが復活する
- 基本の焼き方は「高温での予熱」が最も重要なポイント
- 自動メニューの「冷凍ピザ」を使えば誰でも失敗なく焼ける
- 生地裏のカリッと感を重視するならアルミホイルは不要
- 後片付けの手間を省きたい場合はアルミホイルやシートが便利
- ビストロは高温調理で本格的な食感を、エブリノは手軽さを重視
- 2段調理を使えばパーティーでも複数枚を同時に焼くことが可能
- 2段調理の際は少し長めの焼き時間と皿の上下入れ替えが効果的
- 追いチーズや野菜の追加で市販のピザがオリジナルな一品になる
- ビストロの機能を活用すれば、おうちピザの可能性は大きく広がる
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